蛇にピアス

2004年3月22日 読書
ISBN:4087746836 単行本 金原 ひとみ 集英社 ¥1,200

一度、本の中の場面をドラマや映画のようにはっきりと頭の中で映像化しながら読む、というスタイルのせいで自分の舌の裏が痛くなり、背筋に戦慄まで走ったために読むのをやめたこの本。
今日は無事に読むことが出来ました。
雨の日は本の内容も気分もダークなのか?

スプリットタンにするために舌にピアスをしたけれど、人生は変わらない。良くならない。むしろ、どんどん自分は怠惰になっていく。
目標の一部を達成したというのに気が滅入っていく主人公ルイに、今の私はとても共感できます。

週刊誌の中吊り広告に、『芥川賞 おじさんはひとみ派』って書いてあったけれど、確かに、ルイの無気力さは現代の若者から投影されたものだから、その心理を知りたいと思う年配の方が買っていくのだろう。現に『現代の若者』である私は今、かなり無気力で怠惰。
でも読んでいくと、描写が生々しすぎてそっちばかりに気をとられてしまった。
それにギャルでもパンクでもヤンキーでも、この本と同じ事をしているのは極少数だ。いないとは言わないが。
だから、やっぱりこの本を買っていく人はミーハー心があって買っていくのだろう。

芥川賞の評論で、2作品は世界が狭すぎる、と書いていた人がいたが、その閉鎖された空間が私は好き。

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