沈黙

2005年9月16日 読書
ISBN:4101123152 文庫 遠藤 周作 新潮社 1981/10 ¥540

「神の沈黙」については誰もが一度は考えてしまう事ではないでしょうか。
世界中の苦しんでいる人々を、神はなぜ見える形で助けないのか。

この本を読んでいて、ミッション系である母校を思い出しました。
学校に入ってから洗礼を受ける人など皆無だというのに。クリスチャンの同級生は真面目すぎて何となく疎まれているというのに。神など信じなくても生きていけるというのに。
ただ、あるクリスチャンの先生は生徒に「先生が昔の時代の人で、長崎でキリシタンに対する拷問を受けたら信仰を捨ててしまいますか?」と聞かれたとき、「捨ててしまうかもしれませんね」と答えました。
その先生はロドリゴにもフェレイラにもキチジローにも井上筑後守にも成り得る、という考えが浮かび、その時感じた妙な生々しさを再び思い出しました。

沈黙の残酷さは、実は残酷などではないのかもしれません。

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