ISBN:4344406109 文庫 木藤 亜也 幻冬舎 2005/02 ¥560

卒論の参考に読みました。

発病する1年前(14歳)から字が書けなくなる直前までの、亜也さんの日記が収録されています。
自分が当たり前に出来た事が徐々に出来なくなっていく恐怖やもどかしさ…。でも亜也さんは甘えずに、今出来る事は時間がかかっても精一杯やろう!と日記に綴っています。
泣き虫だという亜也さんですが、あとがき(亜也さんのお母様の潮香さんが書かれた)を読んでハッとしました。
亜也さんは潮香さんに対して「生んでくれなければよかった」などという事は一度も言わなかったそうです。
ドキュメンタリーでもドラマでも、自分の障害について親を責める、というシーンは頻繁に目にします。しかし亜也さんは、もう一度普通に歩けるようになる事を望みつつも、治る見込みがない脊髄小脳変性症という病を宿命として受け入れたのです。

またあとがきを読んで初めて分かった事ですが、潮香さんは看護師として働いておられました。そして中学生の亜也さんの歩き方がおかしい事に気付いて連れて行った病院は、脊髄小脳変性症調査研究班の班長が教授である大学病院でした。
自分の子は例外であるという奇跡を願いつつも、看護師として一般人以上の知識を持っていた潮香さんは、亜也さんの10年後が見えてしまっていたのでしょう。

急激に悪くなりはしないが良くなる事はなく、徐々に進行していく病。

本を読みながら泣く事はありませんでしたが、亜也さんの日記、亜也さんの最初の主治医の寄稿、あとがきから成るこの1冊をすべて読み、そしてそれを反芻する事で、どうにもこうにも泣けてきました。

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