心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
2013年4月7日 読書
自分の本質を隠し、幼い頃から道化を演じて生きてきた主人公・葉蔵が転落していく様が描かれた作品です。
葉蔵の周囲のごく少数は彼の演技を見抜きますが、その事を突っ込んで問うたり、批判をしたりはしませんでした。
誰にでも、自分を大きく見せたいという気持ち、また真の自分の表面に仮の自分を置く事で真の自分の領域を守りたいという気持ちが、程度の差はあれど存在する事をその人物達は理解していたのだと思います。
…とは書いてみたものの、正直「私にはまだ良く理解出来ない作品」でした。
葉蔵の周囲のごく少数は彼の演技を見抜きますが、その事を突っ込んで問うたり、批判をしたりはしませんでした。
誰にでも、自分を大きく見せたいという気持ち、また真の自分の表面に仮の自分を置く事で真の自分の領域を守りたいという気持ちが、程度の差はあれど存在する事をその人物達は理解していたのだと思います。
…とは書いてみたものの、正直「私にはまだ良く理解出来ない作品」でした。
謎解きはディナーのあとで
2013年3月10日 読書
「鴨川ホルモー」の続編ですが、内容からするとスピンオフ作品といった方が良いでしょう。
女性の登場人物が多く、また恋愛が物語の隠れた要素になっていたので、前作とは違う空気を感じ、そして楽しく読む事も出来ました。
女性の登場人物が多く、また恋愛が物語の隠れた要素になっていたので、前作とは違う空気を感じ、そして楽しく読む事も出来ました。
ホルモーという競技の存在からして荒唐無稽ですが、内容はひたすらおちゃらけている訳ではありません。
どんな状況でも冷静沈着な文体、コミカルとシリアスの緩急の具合など、全体が絶妙なバランスを保っていて、話にぐいぐい引き込まれてしまいました。
作者が京大出身のためか、京都の街の様子が目に浮かぶように描写されていたのも、架空のホルモーと現実の世界、そして私をつなぐ役割になって良かったです。
どんな状況でも冷静沈着な文体、コミカルとシリアスの緩急の具合など、全体が絶妙なバランスを保っていて、話にぐいぐい引き込まれてしまいました。
作者が京大出身のためか、京都の街の様子が目に浮かぶように描写されていたのも、架空のホルモーと現実の世界、そして私をつなぐ役割になって良かったです。
草薙が綾音に惹かれつつも、刑事としての信念がブレる事がなかったのは格好良かったです。
事件解決へ向けて状況が二転三転し、中々糸口すら見えてこないというじらしも、早く読み進めたいという気持ちに拍車がかかり、良いスパイスであったと思いました。
事件解決へ向けて状況が二転三転し、中々糸口すら見えてこないというじらしも、早く読み進めたいという気持ちに拍車がかかり、良いスパイスであったと思いました。
今回から内海薫刑事が登場。
女性だからといって物語に花を添える存在にはなっていませんが、彼女のまっすぐな性格が新しい風として物語の中に吹いているのが分かりました。
また湯川の「相手の対応が期待通りにならないたびに、女だからなのかとぼやくようなら、今の仕事はさっさとやめたほうがいい」というセリフは心に留めておこうと思いました。
女性だからといって物語に花を添える存在にはなっていませんが、彼女のまっすぐな性格が新しい風として物語の中に吹いているのが分かりました。
また湯川の「相手の対応が期待通りにならないたびに、女だからなのかとぼやくようなら、今の仕事はさっさとやめたほうがいい」というセリフは心に留めておこうと思いました。
「五体不満足」の記憶が新しいので、主人公の赤尾の容姿を除いてもこの本が半自伝的な物語である事が分かりました。
赤尾が困難にぶつかりながらも3組の児童達を導いてゆく姿は時に痛快ですが、乙武さんが教員として働いていた期間に経験した困難はもっと多く、そしてそれを乗り越えるために要した時間・労力もこの本のエピソード以上にあったと思われます。
3組の28人が赤尾と出会って成長したように、この本を読んだ私も何かしらの成長(発想の転換など)をとげる事が出来たように感じます。
赤尾が困難にぶつかりながらも3組の児童達を導いてゆく姿は時に痛快ですが、乙武さんが教員として働いていた期間に経験した困難はもっと多く、そしてそれを乗り越えるために要した時間・労力もこの本のエピソード以上にあったと思われます。
3組の28人が赤尾と出会って成長したように、この本を読んだ私も何かしらの成長(発想の転換など)をとげる事が出来たように感じます。
バチスタシリーズの中で最もスリルがあり、かつトリックや背景が一筋縄ではいかない、少し難しい作品でした。
ドラマを見ていたので大筋は分かってしまっている状態でしたが、設定の違いや細かい説明のおかげで十分に楽しむ事が出来ました。
ドラマを見ていたので大筋は分かってしまっている状態でしたが、設定の違いや細かい説明のおかげで十分に楽しむ事が出来ました。
『いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。』
ストレートな表現なのに嫌味なく、また自然に物語の中に格言のようなものが織り込まれているのがすごいと感じました。
児童書ですが小さい頃に読んだ事がなく、今回初めて読んでみましたが、幼い私の感想と今の私の感想を比べてみたくなるような、深みのある作品でした。
ストレートな表現なのに嫌味なく、また自然に物語の中に格言のようなものが織り込まれているのがすごいと感じました。
児童書ですが小さい頃に読んだ事がなく、今回初めて読んでみましたが、幼い私の感想と今の私の感想を比べてみたくなるような、深みのある作品でした。
直木賞受賞作、先に読んだ「少女七竈と~」の興奮などからの期待感が大きすぎたか?
屈折しまくりの父娘愛の根本にあった淳悟の感情について、あえて掘り下げていないのだと思いますが、もう少し記述が欲しかったです。
知らされない事による渇望感よりも、結果が分かっている事から来る飽きの方が強くなってしまいました。
屈折しまくりの父娘愛の根本にあった淳悟の感情について、あえて掘り下げていないのだと思いますが、もう少し記述が欲しかったです。
知らされない事による渇望感よりも、結果が分かっている事から来る飽きの方が強くなってしまいました。
少女七竈と七人の可愛そうな大人
2012年12月23日 読書
七竈と雪風の飛び抜けた美しさと、彼らをとりまく環境・出自・家族などといった暗さの対比が、その美しさに磨きをかけると共に妖しさもプラスしていて、読んでいてゾクゾクしました。
しかし若い2人が未来へ歩みを進める姿は等身大の少年少女の姿であり、沈んだ雰囲気一辺倒という訳でもありませんでした。
いくつもの相反する事柄が同時に存在し、独特な世界が創り上げられていた物語でした。
本の表紙の装丁は、読み終えて「なるほど!」と思いました。
しかし若い2人が未来へ歩みを進める姿は等身大の少年少女の姿であり、沈んだ雰囲気一辺倒という訳でもありませんでした。
いくつもの相反する事柄が同時に存在し、独特な世界が創り上げられていた物語でした。
本の表紙の装丁は、読み終えて「なるほど!」と思いました。
<かわいそうだね?>
「かわいそう」という言葉の下で理不尽な状況に耐え、しかし耐えきれなくて爆発し、色々なモノ(その状況、我慢していた感情、恋人との関係等)を壊した主人公のおかげで、痛快、スッキリしました。
女はこうなってしまうよね。
題に「?」がついているのも納得でした。
<亜美ちゃんは美人>
外見の良さや、つかみどころはないが決して悪くない性格のおかげでみんなから肯定され続け、それゆえ満たされず孤独な亜美ちゃんと、彼女への感情が何回か変化したものの、彼女は大切な友だと確信するに至ったさかきちゃん。
お互いへの感情・想いにズレがある2人が、さかきちゃんの気付きで少しずつ近づいていく様子は、分かる気もするし、実際はこんなに上手くいかない気もします。
しかし私はリアリティを求めてはいないので、この物語の在り方は好きだし、さかきちゃんや崇志の近くにいる事を選んだ亜美ちゃんの生き様も最後には好きになりました。
「かわいそう」という言葉の下で理不尽な状況に耐え、しかし耐えきれなくて爆発し、色々なモノ(その状況、我慢していた感情、恋人との関係等)を壊した主人公のおかげで、痛快、スッキリしました。
女はこうなってしまうよね。
題に「?」がついているのも納得でした。
<亜美ちゃんは美人>
外見の良さや、つかみどころはないが決して悪くない性格のおかげでみんなから肯定され続け、それゆえ満たされず孤独な亜美ちゃんと、彼女への感情が何回か変化したものの、彼女は大切な友だと確信するに至ったさかきちゃん。
お互いへの感情・想いにズレがある2人が、さかきちゃんの気付きで少しずつ近づいていく様子は、分かる気もするし、実際はこんなに上手くいかない気もします。
しかし私はリアリティを求めてはいないので、この物語の在り方は好きだし、さかきちゃんや崇志の近くにいる事を選んだ亜美ちゃんの生き様も最後には好きになりました。
桐島、部活やめるってよ
2012年12月12日 読書
久しぶりに10代の若者が主役の物語を読みました。
この年代ならではのみずみずしさ、(一見チャラい子でも持ち合わせている)真面目さ、そして学校でのヒエラルキーの存在や生き抜き方が臨場感たっぷりに、丁寧に描かれていて、遠い昔の自分の高校時代を懐かしく思いました。
桐島の登場の仕方は斬新で、彼の心情はどうなんだ?という余韻も残ったので、私は良いと感じました。
この年代ならではのみずみずしさ、(一見チャラい子でも持ち合わせている)真面目さ、そして学校でのヒエラルキーの存在や生き抜き方が臨場感たっぷりに、丁寧に描かれていて、遠い昔の自分の高校時代を懐かしく思いました。
桐島の登場の仕方は斬新で、彼の心情はどうなんだ?という余韻も残ったので、私は良いと感じました。
チーズはどこへ消えた?
2012年11月6日 読書 コメント (1)
この本を読みながら、頭では分かっているのに実行出来ていないたくさんの事柄について思いを巡らせました。
また「もし恐怖がなかったら何をするだろう?」という問い、恐怖によって動けなくなる事もあれば恐怖から抜け出すために行動を起こす事もあるというホーの考えは新鮮に感じました。
私は最近、自ら動いている方だと思います。
次のステップとして、敏感になって先を見通す事が出来るようになりたいと考えました。
また「もし恐怖がなかったら何をするだろう?」という問い、恐怖によって動けなくなる事もあれば恐怖から抜け出すために行動を起こす事もあるというホーの考えは新鮮に感じました。
私は最近、自ら動いている方だと思います。
次のステップとして、敏感になって先を見通す事が出来るようになりたいと考えました。
走れ、優輝! 最後まであきらめないで
2012年9月23日 読書
実業団に所属しない市民ランナーながら、世界選手権の代表にもなった川内優輝選手のお母様の手記です。
お母様が優輝選手に行っていたマラソン練習は、まさにスパルタそのもので驚かされました。
練習に手出し・口出しをしていたのは小学生の頃だけで、後は「見守る」姿勢をとっておられたようでしたが、それは時にもどかしい事もあっただろうと思います。
優輝選手の性格を見抜いてサポートを続ける事は、母親だから出来る技でしょう。
これからも彼の走りに期待したいです。
お母様が優輝選手に行っていたマラソン練習は、まさにスパルタそのもので驚かされました。
練習に手出し・口出しをしていたのは小学生の頃だけで、後は「見守る」姿勢をとっておられたようでしたが、それは時にもどかしい事もあっただろうと思います。
優輝選手の性格を見抜いてサポートを続ける事は、母親だから出来る技でしょう。
これからも彼の走りに期待したいです。