実行に移すのが難しい事は何一つ書かれていません。

料理は全部手作りで!とも書かれていない。

ファッションにおいて流行りは追うな!とも書かれていない。

あるいみ、基礎マナー集です。

しかし、坂東さんの優しい文体で提案されると、何だか納得してしまいます。

私の品格、磨きにかかろう。
爆笑問題が、歴史に残る出来事を面白く、かつ分かりやすく解説してくれる「日本史原論」シリーズの一冊です。

題の通り、昭和の出来事を取り上げています。

ひとつまえの元号である昭和の時代、特に戦後の事を私はおおざっぱにしか知らなかったので、この本で出来事の詳細や背景を知る事が出来ました。

テレビとは違い、本は情報を自分のペースで確実に咀嚼して読み進められるので、自分の知識が増えたという実感は大きいです。

もちろん難しい書き方だと読む事自体が苦になってしまうので、爆笑問題のコントを見ているかのような文体は読みやすくて良かったです。


10人で箱根駅伝出場を目指す、弱小陸上部の1年を描いた作品です。

10人の心の動きが詳細に描かれていて、それを「説明しすぎ」と感じる人もいるかもしれませんが、その静かだったり熱かったりする想いに私は揺さぶられ、のめり込んでしまいました。

にわか陸上(長距離)ファン&小出くんファン(映画版の主演は小出恵介)という事で前から読みたかった本ですが、早く読み進めたいという気持ちとじっくり読み込みたいという気持ちが混ざって、変な状態(読書トランスとでも言うべき?)になってしまいました。

でも、この感じ、悪くない。

おばさん未満

2009年7月29日 読書
ついに40代になったという酒井さんですが、「負け犬の遠吠え」が出版された頃に雑誌で見た限りでは、きれいで知的な大人の女性という感じでした。

その酒井さんが、老化やら何やらを赤裸々に語っているのが面白くもあり、やがて私自身も体験するのか…と考えて軽い絶望感を感じてみたり。

しかし最後には必ず前向きな気分にさせてくれるのがすごいと思います。

波打ち際の蛍

2009年7月28日 読書
読み終えてまず思い出したのは、島本さんが同業者の旦那さんと最近離婚したらしいという事と、原因がDVらしいという事。

物語の中にはほとんど登場しない主人公の元彼(DV男)ですが、島本さんの事情を考えると何だか背筋が薄ら寒くなります。

テーマは重いけれどサラッと読めてしまったので拍子抜けしましたが、島本さんが実体験を自分の記憶から取り出して作品の一部にした事実があるだけに、あえてドライな感じに仕上げたのかなと思いました。
茶髪+ドクロモチーフのネックレスの小学校教諭である良太。

しかしこれらは物語の中でたまに触れられるのみで、決してメインではありません。

メインは、良太や彼の相棒的存在の染谷先生が、子ども達に気付きを与えられる姿です。

印象深いのは養護学校の場面で、石田さんが取材や資料の読み込みをきちんとなさったのが良く分かりました。

「え、こんなラスト?」と思ってしまいましたが、自分なら教室でどのように語ったかを考えるのも、教師としては必要かも。

鹿男あをによし

2009年7月24日 読書
現実世界とファンタジーが入り混じった作品は、時にやたらウソくさくなります。

しかしこの作品には、そのような違和感が一切ありません。

鹿の動きの描写は細かいし、クスッと笑わせる要素まで織り込まれています。

圧巻は大和杯の剣道のシーン。

読んでいる私の目の前で試合が行われているかのような臨場感でした。

万城目さん、ファンになったよ。

君が降る日

2009年7月23日 読書
≪君が降る日≫
主人公の恋人がいきなり死んだところで物語がスタート。

島本さんは、特に「葛藤」の心理描写が上手だと思います。

ただ、性行為になだれ込んでそこで相手の心の奥にある感情に気付く、というのが定番になっている感が否めないです。

もっと別のやり方で書けるなら、そっちで書いてほしいです。


≪冬の動物園≫
恋人と別れた後で、年下の男にそれをからかわれたら、そりゃキレるわ(笑)

でもその年下君の観察力はものすごく鋭いです。

ラストがとてつもなく明るくて、読後がさわやかです。


≪野ばら≫
終盤の展開に衝撃を受けました。

うえぇ~!って感じ。

こんなにドキドキしたのは久しぶりです(笑)

クローバー

2009年7月22日 読書
双子の姉弟が主人公の、恋愛を軸にしたお話です。

姉の様々な恋愛を弟視点で綴っていくのかと思いきや、途中から弟メイン。

私は多分現実にこの弟みたいな人がいたら、好きになっちゃいそうです。

またあとがきに「だからこの小説は、青春小説でも恋愛小説でもなく、モラトリアムとその終わりの物語、というとらえ方をするのが、自分の中では一番しっくりきます。」とあったのを見て、あっと驚きました。

なるほど、(特に)弟の感情は、モラトリアムの真っ最中で、しかしその終わりも見えているからこそ湧き起こった感情だったのか!と。

つまりそれは、私のモラトリアムが過去のものだという証明。

はぁ~、歳くったわ。(誕生日にも同じような事言ったな…)

先達の御意見

2009年7月22日 読書
キャッチコピーは「負け犬他流試合」。(酒井さんのベストセラーは「負け犬の遠吠え」)

対談集なので、酒井さんだけでなく様々な方の女性という生き物についての考え方を、気負わずに知る事が出来ました。

卒論を書くにあたってその存在を知った小倉千加子さんも出ていたので「お、やっぱ小倉さんもこっち側か!」と変な気付きを得てみたり(笑)

しっかし、酒井さんの文章の書き方、好きだな~。

こんな風に文章を書いてみたいです。

夜と霧 新版

2007年10月29日 読書
ISBN:4622039702 単行本 池田 香代子 みすず書房 2002/11/06 ¥1,575

強制収容所の被収容者だった医師(精神科医)が、心理学というアプローチから収容所生活を綴った1冊です。
…というと学術的な難しい本を想像されるかもしれませんが、読みやすいです。
ISBN:4000264516 単行本 アルフォンス・デーケン 岩波書店 2001/04 ¥1,995

「死への準備教育」について書かれている本です。

OUT

2007年10月14日 読書
ISBN:4062734478 文庫 桐野 夏生 講談社 2002/06 ¥700

ハードカバーの分厚いのを借りて読みました。
結構グロくて、得意な1冊一気読みは出来ませんでした…。
心理描写がすごく細かくて、私も一緒にどんどん追い詰められていって、でも最後には出口がちゃんとあってホッとしました。
かなり意外な出口でしたが。

LOVE or LIKE

2007年10月11日 読書
ISBN:4396632665 単行本 山本 幸久 祥伝社 2006/07 ¥1,680

短編小説集です。
本の帯に、微妙な機微を描く、という言葉がありました。

うん、その言葉、大好き。

男性作家さんの恋愛小説を読むと一般男性の理想が分かる、というのを聞いた事がありますが、繊細な心の動きを大切にしたいと願うのは、男も女も同じだな〜と感じました。

…と偉そうな事を言ってみたり。
ISBN:4163254005 単行本 伊藤 たかみ 文藝春秋 2006/08/26 ¥1,050

さらっと読める本です。
芥川賞作品ですが、今までに私が読んだ事のある直木賞作品と似た雰囲気を感じました。
つまり、これから伸びるんじゃないかなという事。
小説を読むとすぐに映画化について考えるのは野暮ですが、映像化しても面白そうだなと感じました。
ISBN:4087748472 単行本 吉川 トリコ 集英社 2007/02 ¥1,365

超リアルです。
私は本にリアルすぎるリアルは求めていないので、読みながら全身がこそばゆくなってしまいましたが…。
表現の仕方・言葉の使い方が好きです。

眉山

2007年10月5日 読書
ISBN:4344007271 単行本 さだ まさし 幻冬舎 2004/12 ¥1,400

さだまさしさんの本はどれも、綺麗な風景の描写と、繊細な人物の心情が描かれていて、死をテーマとした作品が多いものの何だか癒されます。
恋愛の形が素敵なのも好感が持てます。

この本は、余命僅かな母とその娘の最後の交流の物語です。
淡々としつつ、冷たくはない書き方が余計心に沁みます。
ISBN:4488017002 単行本 伊坂 幸太郎 東京創元社 2003/11/20 ¥1,575

小説を読んでこんなにハラハラさせられたのは初めてです。
伊坂作品は初読ですが、こりゃ流行るわ〜。
パンチの効き具合も好きです。

間宮兄弟

2007年9月29日 読書
ISBN:4093874999 単行本 江國 香織 小学館 2004/09/29 ¥1,365

江國香織は恋愛物を書かせての江國かなぁ…と思ってしまいました。
夕美は実際にいそうだけど、直美みたいな娘は煙草吸いそうな柄じゃないし、依子は存在が微妙。
あと、直美・夕美姉妹の彼氏ズが得体の知れない間宮兄弟の家に行くのを許すか〜?とも。
ファンタジーとして考えれば良いのか…?う〜ん…。

多分、佐々木蔵之介とドランクドラゴンの塚地がW主演の映画版の方が好きになりそう。

ナラタージュ

2007年9月29日 読書
ISBN:404873590X 単行本 島本 理生 角川書店 2005/02/28 ¥1,470

ず〜っと読みたいと思っていた本を、やっと読む事が出来ました。
島本作品には結構感情移入してしまう私ですし、発売されてから長い事話題になってた本ですが、思っていたほどの「作品を読んで得る感情の昂ぶり」は得られませんでした。
何でだろう。
作品が稚拙な訳では決してない。
私の考え方が変わったのだろうか…。
それならそれで良いけれど、悪い意味で若さや無謀さを失ったのだとしたら、悲しい。

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